中小企業省力化投資補助事業の目的

(公募要領からの抜粋・まとめ)
・人手不足に悩む中小企業等が IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助する。
・省力化投資を促進して中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るとともに、賃上げにつなげることを目的とする。
・中小企業等が(カタログから)選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する。

補助事業者は上記の目的に沿うように、カタログに定められた省力化製品を選択して、その製品の販売事業者と共同で申請することになります。他の補助事業と比較として、取り組みやすい補助事業なのかと思われます。

事業計画に策定する内容

(1)カタログからの製品選択と販売事業者の決定情報
 カタログから導入する製品を選択し、購入先となる販売事業者を決定し、その情報を申請時に提出する。(なお、本事業は省力化を目的とすることから、新規事業は対象とはならない)

(2)人手不足の状態にあることの説明
以下のいずれかから当てはまるものを一つ選択し、省力化を進める必要があることを示す。
 ①限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている。
 ②整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している。(直近1年間のうち、月の総 労働時間が前年同月比で5%以上減少していること。)
 ③採用活動を行い求人掲載したものの、充足には至らなかった。
 ④その他、省力化を推し進める必要に迫られている。(→これを選択すると、例外的扱いされて厳格に審査されるた め、採択が大幅に遅れる可能性あり)

(3)省力化を進めるための計画
 ・カタログから選んだ製品を用いて「労働生産性の向上目標」を達成する見込みの事業計画を作成する。 「労働生産性の向上目標」とは
  →補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を「年平均成長率(CAGR)3.0%以上」向上させる事業計画目標。採択後に取り組みして達成できるものでなければならないとされています。
  (CAGRは、数値のばらつきをならして平均値を表現する指標になりますが、ここでの詳しい説明は省略します。)

 ・以下3点の説明。
  ①導入製品の使用方法
  ②製品の導入により期待される省力化の効果(省力化効果が得られる機能・性能等)
  ③省力化により既存業務から抽出できると期待される時間・人員の使途

(4)保険に加入することについて
取得する省力化製品に対する補助額(導入経費を含む)が500万円以上となる場合、事業計画期間終了までの間、取得財産の損失に備えて、保険金額が補助額以上である保険又は共済に加入することが採択の必要要件になります(保険料は補助対象外)。

※対象リース会社との共同申請について
中小企業等及び販売事業者が、対象リース会社と共同申請をする場合の規定もありますが、今回は省略します。

審査の着眼点について

公募要領には、補助事業の採択について、下記の要素も踏まえて総合的に判断するとの記載があります。
 ・省力化の効果が合理的に説明されており、省力化への投資により高い労働生産性の向上が期待できるかどうか。
 ・既存業務の省力化により新しい取組を行う・高付加価値業務へのシフトを行うなど、 単なる工数削減以上の付加 価値の増加が期待できるかどうか。
 ・賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む予定であるかどうか。

補助事業採択後の流れ

(1)省力化製品の導入
補助事業者はカタログで選択した省力化製品を購入する。販売事業者と共同で製品の導入・業務プロセスの改善を行い、事業計画に記載した省力化効果を得ることに努める。

(2)実績報告の提出
製品を導入後、下記の実績報告を提出する。
 ① 支払いに係る証憑
  ・省力化製品の発注、契約、納品、検収、請求、支払い等に関する書類
 ②導入実績に係る証憑
 ③事業計画の達成状況
  ・省力化の効果
  ・賃上げの実績(給与支給総額及び事業場内最低賃金)

上記の実績報告の内容を踏まえて補助額が確定されます。

補助事業終了後のフォローアップ

補助事業完了以降3年間が効果報告期間となり、効果報告期間中は以下2つのフォローアップ業務が発生します。
(1)効果報告
 ①省力化製品の稼働状況
 ②事業計画の達成状況
  ・省力化の効果(従業員数と労働時間及び決算情報)
  ・賃上げの実績(給与支給総額及び事業場内最低賃金)

(2)実地検査
実績報告の提出を受けてから効果報告期間が終了するまでの間に、省力化製品が事業所に導入されていることの実地検査が行われる(補助額の確定以前に行われる場合もある)。
 →実地検査において、申請時の事業計画と異なる実態であることが確認された場合は、交付決定の取消しとなる。

事業の遂行で求められること

上記のとおり、補助事業実施期間中に、省力化製品の契約(発注)、納入、検収、支払及び実績報告の提出等の全ての事業の手続きを完了させる必要があり、効果報告期間において、導入された製品による省力化製品の生産性向上に係る効果や省力化効果、決算や従業員の雇用状況・賃金の状況に関する事項を報告する必要もあります。また、事業の実施については、省力化製品の販売事業者も、連帯して責任を負うとされています。

報告された効果が、省力化基準を下回っている場合や、労働生産性の向上目標を達成し得ない場合は、交付決定の取消しが行われる可能性があります。

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